Aug 16, 2007

stop the beats (for a while?)

様々な事情があって
殆どは、俺の個人的な事情と勝手に依るのだけれど
LIQUID SCREENを抜けることにして
しばらく、ドラムを叩くのを止めることにした


               *


しばらく叩かないことで
何か違うものが見えてくるかもしれないし
その結果、叩きたくなったら叩くだろうと思う
その時は、何か違う形になっているだろうと思う


               *


また、形を変える
俺は、止まるつもりは無い

今までありがとう

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Jul 08, 2007

from Kobe to Memphis

随分久しぶりの元町を
JOE-CORE君やスギマチと一緒に歩いてレコード屋に行ったり
丸玉食堂でロバや豚足やローメンを食べたり
南京街で甜麺醤とジャスミン茶買ったり

十代の最後の頃
俺と音楽と連れだっていた街
20年近い間の記憶が
まるで
雨の車窓から眺めるネオンサインのように


               *


マリア・西浦真奈の記憶に関わる人と
久しぶりに沢山再会したせいだろうか

すぐそばに、ビールの缶を手にした彼女がいるような気がして
少し嬉しく、少し悲しかった


               *


良い夜だった
生き延びるのは、良いことだ

ありがとう


               *


蒸し暑さと蓄積した疲れで
朦朧としつつ帰宅したら
鮎の塩焼きをする準備が整っていて
煮物も出来ていて
マリネも出来ていて
焼きびたしの茄子も冷えていて

冷酒、買いに行こう!


近所のおばちゃんにもらった美味しいジャガイモ
母親にもらった万願寺獅子唐
叩き売りされてた椎茸、それに絹揚げ

少し薄味で煮付けてあるから
幾ら食べても全然飽きがこないんだわ

スミちゃんに教えてもらったやり方で焼き茄子をして
生姜を効かせた薄味の出汁にひたして、キンキンに冷やす
完璧

冷酒のついでに買った蛸で
居酒屋メニューに拍車をかける

豆、玉葱、シメジ、トマト、セロリ、軽く茹でたスルメイカ
相方のお母さんがくれたイタリアンパセリをたっぷり入れたマリネ
一晩寝かされて複雑に絡み合った味が、綺麗な曲線を描く

今日の親分は鮎の塩焼き
びっくりするぐらい安かったんだけど
十二分に綺麗で美味しかった
蓼酢で鮎食べるのなんて、何年ぶりだろう


               *


さて
また一週間頑張りますかね

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Jul 03, 2007

touring the extraordinary days

早朝
迎えに来てくれた車に乗り込んで高速を東へ

今回の旅の友ヒットは
ツボイちゃん(リキッド・カカリイン)が持ってきたXTCのライヴ音源
アンディー他、全メンバー平均年齢25歳(推測)のライヴは
ミスタッチが殆ど無い異様な緊張感と完成度
「楽器とチンチンぐらいしか触っていない年頃」だからこその滾り具合に、一同唸る


               *


半裸でラップ(無論DefJam)聴きながら東京着

「ああ、田舎もんや思われてまいますよぉ」

ツボイちゃん、その通りだ……


               *


早く到着しすぎた渋谷のライヴハウス
ドアには鍵がかかっていない

そっと押し開けて中を覗くと
狭い事務所の椅子で男が爆睡している

 「あっ、ズン!」
 「おっ、かっちゃん!」

中学、高校と同級生だったコバヤシ・カツヤ(別名:ブッシュ・コバヤシ)
実に数年ぶりの再会である
聞けば前夜のオールナイトイベントから家に帰っていないという
週末は忙しくて大変だなあ
そーか、おめえさん、もう二人の子持ちか……


               *


一旦、メンバーと共に繁華街側へ出かけたものの
あまりの人の多さの為、吐きそうになって自分一人退散

静かそうなダイニングバーを見つけて
ビール一杯だけでも構わないかどうか聞いてからカウンターに座り
『猫のゆりかご』を読みながらエールを1パイント


               *


リハを終えてから待ち合わせをして
サイボーグ・ファシストの人に会う
2年ぶりぐらいの再会、だろうか

「速い、と思うんですよ」
「何が?」
「ココ(テーブルの端を指す)からコッチまでロジックで辿り着くのに」
「初めての街だと道に迷うし、目的地に辿り着くのに時間がかかるでしょ」
「そうですねえ」
「何時も来てる慣れた道なら、すぐでしょ」
「そういうこと、か」

生きて会えて良かった
お元気で
また会う日まで


               *


良いライヴだったと思う
全バンド、素晴らしかったと思う

何年もねばり強く追い求め続けて
やっとたどり着けるような強度があって
この日の出演バンドの全てに共通していたのは
そんな強度だったような気がする

楽しかった
俺も、ドラムを叩くことを心底楽しんだ
ステージの後ろ側からメンバーたちの姿を眺めながら
音の中に、身を溶かしていった

みんな、ありがとう


               *


東京の妹とその旦那とお友達を筆頭に
懐かしい顔との再会も多々あり

無茶飲みはしなかったけれど、その後の打ち上げも大いに楽しんだ

東京まで出向いて
デジカメに収まっていたのは
友達の裸写真(打ち上げの席にて)数枚のみであった

馬鹿だねえ……


               *


楽しかった二日間はあっという間に過ぎ
ぽてちん、と帰宅

おみやげのシュウマイと、相方が作ってくれたポテトサラダを摘みながら
ふわふわした気分で晩酌
あんなことや、こんなことがあったよ
そう言いながら、晩酌

贅沢な週末だったな

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Jun 30, 2007

touring the inbetween days

nanoでのライヴは楽しかった、本当に

マッコルリをガブ飲みしながら
本当に楽しい気分でドラムを叩いた

美しい日だったと思う
雨は強く降り続けて
それはそれは
美しい日だった


               *


漆黒の闇の中に
ジタバグを投げ込む
僅かに水面を照らす
街灯と月明かりの中で
弾ける

美しい命の脈動を
全て、この手の記憶に刻む


               *


10日間も休み無く働き
流石に疲れて早退する

ふと思い立って
何時もの電車をいつものホームで画像に納める

色気がないな、と思う
もうちょっと艶めかしくても良いのに
デザインも、色も


               *


各所から送られてきた食材をお裾分けして
わらしべ長者的に餃子をご馳走になる

嗚呼
疲れが吹き飛んでいくようだよ

明日は東京か……

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May 30, 2007

Lament for the City Creatures


こちらで試聴できます



-各楽曲に関する極私的な覚え書き-

Queen Octopus

女性に対するセクシュアルな思い込み
畏れや恐怖心はそこにべっとりと張り付いている
直線的なリズムの高揚は、リビドーの高まりと相即している
オレンジ色の灯りの部屋で
舌なめずりをしているのは何時だって「あの女」だ、という
下半身を丸出しにした男の、的を外した妄想投射

Rate of Blue Rose

「何時でも」という問題設定の性格上
何時でも問題になるのは「時間」だ
死は平等に開かれている
無惨でも穏やかでも血まみれでも無菌室でも
可能でも不可能でも

Yellow Frogs and A Green Snake

境界は裏返る
裏返るまで気が付かないのだ
呼ばれるまでは振り返らないのだ
呼び出されるまで飛び出さないのだ

ないのだ
いのだ
のだ


かちかちかちかちかち……

Glory Hole

陽の光など必要ない
もっと地中深く潜るために
もっと強い爪が欲しい
俺が巡らせた暗渠に
おまえはもう引きづり込まれている
待ってろ
もうすぐおまえの目を開いて
別の地図を見せてやろう

Node of Modulation

変節点でずっと待ち続けてから
空高く舞い上がる
天井の無音
地上の福音
握りしめた拳を解いて
砂粒で聖別しよう
走るため
俺には車輪がある

Two Legs Among Ten

数億年の呪い
錆と海草とフジツボに覆われた
鋼鉄の甲冑を身に纏い
七つの海を渡る
もう忘れてしまったよ
何もかも、全て

Disoriented

北も南も東も西も
何れを指そうとも変わりない
磁石は壊れたから
大気を捨てて
深い海の底へ
マリンスノーが降ってくる
深い深い、そこへ

Lesson Elevated

ぱらぱらっぱぱらっぱぱらぱら
手を繋いで渡ろう
細い細い架け橋
踏み外さないよう気を付けて
ぱらぱらっぱぱらっぱぱらぱら

New Strata

コントラストがキツくて
解像度の荒い超現実
新人類よ、永遠なれ
新地層に向けて祈りを

Different Kind of Race

ゲートが開いて
各馬は一斉にスタートしない
後ろ向けに
あるいはコースの外に
ダートを蹴散らして走り出す
手綱を引きちぎって
セキセイインコとたけくらべしたって
構わないんだぜ、別に

Silver Hive

汚れない君の汚れなさを
俺は心底憎む
卑劣を弾倉に込めて
フルオートマチックの引き金を引こう
銀色の光の中でブローバックするのは
呼び声の残滓

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May 29, 2007

徒然

某日(M脇M夫風に)
BEARSにてライヴ
前回同様ヤスウミさんの卓だから安心

トップバッターでやるのは随分気分が良い
何にもまして一番素晴らしいのは
酔ってないからカッチリ演奏できるという点にある

全バンド素晴らしかった
陳腐かもしれんが、音に酔って、酒に酔った
良い夜だったと思う、すごく


               *


某日
実家より兄夫婦と両親がやってきて
昼食を一緒に食べる

実家のご近所の骨董品屋さんから
古い木製の衝立を頂いたのを持ってきてもらう
こちらからは例の蕎麦を渡す

慌ただしかったけど
久しぶりに皆で揃って話せたのが単純に嬉しかった


同じ日の午後
ジンスミ&モンジとビール片手に河原へ

平日の長閑な午後
日差しは完全に初夏

嗚呼
両腕に抱えたその重み
なんという生命の横溢

ビールを飲んでいたはずなのだけれど
夕暮れまでに、ワインが空いてしまった


               *


某日
昼前に職場を出て大阪へ
某所にて衛生管理者資格の講習
労働基準法のお勉強である

せっかくHANDYBIKEを持ってきたのだから、と
地下鉄二駅分をぶらぶらポタリング

こういう線の交差する夕暮れを
自転車で走っている、という面白さ


その夜
とある学会に顔を出していた相方、ホリエさんと合流
釜飯の美味しい小料理屋で
釜飯は頼まずに軽く呑んだ後
HAWKWINDへ移動してお喋り

バスも絶え
ホリエさんは家に泊まり
翌朝、俺はふんわりした酔いを抱えたまま仕事へ

忙しくて楽しい一日だった


               *


某日
解凍した鯖の切り身を
一日冷蔵庫に置きっぱなしにしていたのがあって
ほんのちょっとだけ工夫して食べてみることにした

塩をしてしばらく置いた切り身に
小麦粉を打ってかるくはたき
たっぷりのオリーブオイルで焼いたのだけれど
ぶつ切りにした鷹の爪をたっぷり入れて
身の全体に辛みと香りをまわしてやったのだ

こんがり焼き上がったら
ごく普通にトマトソースを作っておいたのをかける

辛みを効かせたトマトソースをかけるんじゃなくて
鯖自体に辛みが回っているのがポイント
意外なほど食感が変わるし、臭みが完全に吹き飛んでいた
まあ、例によって適当料理であることに変わりはないのだけれど


               *


某日
また、夜明け前に目を覚まして呻吟
自転車疾走数分
キャストすること半時間

良い日だ
しかし釣れない……

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May 06, 2007

TEN FUCKEN YEARS OF PURE MANIA

カレンダーとあまり関係のない仕事、なので
連休も後半になってからやっとそれらしい時間が取れた、ので
夜中には東京に向けて出発する、のだけれど
パンとつまみとワインを持って、夕刻の河原にたどり着く

日が暮れたら鯰でも、という魂胆で
とりあえずフィリプソンも握りしめていた

鶏の肝を摘んで
ごま入りのベーグルを囓って
赤ワインをグビグビやっていると
代わる代わる犬がやってきて

 「どうもどうも」
 「いやはやどうもどうも」
 「おいしそうですね」
 「食べますか」
 「どうしようかなあ」

という感じで
この上なく長閑な時間が過ぎていったのだ


               *


河原を離れた時点で一人1本ずつワインを飲んでいたのだけれど
なんだか、楽しかったもんだからね
そのままの勢いでヤマチャンの饂飩屋さんに出向いて
またお酒を飲んで
饂飩屋さんのすぐ上にあるターコ君のお店に移動して
接客係の美人ちゃんと戯れたのですよ


お客さん
それはサービス外ですよ……

それでまあ
フィリプソンが曲がることは無かったのだけれど
それはそれでまあ
ちっとも構いやしなかったのですよ


               *


へべれけ気味で帰宅して
迎えに来てくれたのにもなかなか気づかず仕舞いで
大変申し訳なかったです……反省


今回、初顔合わせとなったツボイ・スキン・ディープ君の運転で
高速を東へ


見事な五月晴れの東京で
まずはFIFI兄のお宅へお邪魔して
ビール飲んでアレコレ話しながら休憩
ひとしきり笑った後、SHELTERへ向かう


本当に楽しい時間だった
本当に良い友達が沢山集まって
馬鹿なこといっぱい言って
良い音楽にのめり込んで
飲んで、笑った


               *


俺らの10年は濃密だった
恐ろしく濃密で、豊かで、馬鹿馬鹿しく、崇高で
要するに、誇れる物は全部そこにある
裏返せば、それ以外に誇れる物なんか無い

狂おしいほど
俺らは音楽を愛していて
こんな奇跡的な時間をともに過ごし続けているファミリーを
酷く愛している

俺たちの白髪は増え
額は後退し初め
幾分腹も緩み
目尻には皺が刻まれ始めた

それは
素晴らしいことだ
FIRESTARTERの10周年を祝う場所で、改めて再確認した
それは
素晴らしいことなのだ

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Mar 28, 2007

our live's on the table

ヤスウミさんがPAのBEARS、というパターンは
いったい何年ぶりのことだったろう?
外音のことをまったく心配することなく
ただひたすらプレイに専念できるというのは
とても幸せなことだと、改めてそう思った


               *


「水墨画みたいだな」
「ターナーの水彩画のようだ」
「いや、というか炭で書いたクロッキーのような……」
「それだわ、クロッキーが動いてるような感じだよ」

KNOCKSについて
L.T.S.のKと交わした会話より


               *


カマスゴがそろそろマックスの大きさになっていて
いよいよ春、なのだと思っていたら
やはり急激に温度が上昇して
桜が開き始めた

本当は網で焼くのが良いんだろうけど
テフロンのフライパンで炙っても十分美味しい
オーセンティックに二杯酢とおろし生姜
十数年前、バイト先の爺さんに食べ方教えてもらって以来
大好きなつまみになった


少し方向を変えてみること
少し見方を変えて見ること
相方は、そういった能力に長けている人だと思う

炙ったカマスゴ、薄切りのにんじん、焼き色をつけた賀茂葱
出汁と酢を効かせた合わせ調味料
上品な和風のマリネ、といったところだろうか


               *


ちなみに
ここにアップしている料理の画像の内
半分程度は相方が作ったものです
如何にも
シレっと
自分が作ったような顔して書いてますけど
実際はそんな感じ


               *


amazonで叩き売りになっていた硝子の徳利を
ガッツポーズで二本注文した
何しろ、定価2500円の品が399円だったのだ

日本酒は冷でのむのが殆どなのだけれど
一升瓶から猪口に注ぐのが不細工に思えて
涼しそうな徳利でもあれば、と思っていたのだ

ちょっと嬉しい

南瓜を薄切りにして電子レンジにかけただけ、なのだけれど
岩塩を振って頬張ると、ニンマリするぐらい美味しい
これに相応しいのは
焼酎でもビールでも泡盛でもワインでもなく
圧倒的に、日本酒

味の濃い充填豆腐を適当に切って
豚足のスライスと湯掻いたサヤエンドウをたっぷり乗せる
そいつを
コチュジャンと麦味噌を酒とごま油でのばしたタレで頂く
これもまた
春の夜に相応しい味


               *


ホリエさんの博士論文に纏わるアレコレが終わったから
家でお祝いでも、ということになり
俺は、少しだけ良いお酒を用意したのだ

情熱が高じて
自分たちで米から作ってしまった、らしい
希少な米から作られた山廃の純米酒
決して高級酒ではないのだけれど
それはもう、目の覚めるような美味さだ

思いつきであれやこれやとつまみを作り
遅くまで呑み続けた

しみじみと、良い夜だった
ホリエさん、また遊びにおいで


                *


河原を散歩して
買い物をして
パンを齧って昼寝して
休日らしくのんびり過ごす


冷蔵庫の砂ズリを使わなければイケなかったから
作り置きのきく何時もの一品を

小さく切って湯掻いた砂ズリを
酒、醤油、酢、ごま油、針生姜、葱の微塵切りを合わせたタレに漬け込むだけ
彼是20年ぐらい作り続けてる簡単料理
これでチャーハン作っても、美味しいのよ

ご飯がわりの寄せ豆腐には
オリーブオイルと塩、胡椒

この豆腐には
苦汁以外に、海水から精製した塩が入っている
スイカに塩を振るようなもので
国産大豆の甘みがよりいっそう引き立つのだ
丁寧に作ってるし、手間もかかるから
儲からないんだよね、本当は……

まあ、美味しいから良いか


               *


ちょっとした贅沢
新鮮なツブ貝を買ったのだ

ポン酢とオリーブオイルをベースに
イタリアンパセリと葱の微塵切り、山葵を和え
小さく切ったツブ貝を入れて混ぜ、冷蔵庫で半時間ほど馴染ませる

ライムの絞り汁をベースにしてチャイブを入れても、趣向が変わって面白い
貝の甘みと磯の香りを楽しみたいから
自然とこういう食べ方になる

口の中を
天国に直結する
手っ取り早い方法の一つ

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Mar 10, 2007

1st album

例えば、こういう表現を用いれば感覚が伝わるだろうか

 ヒメツリガネゴケの世代交代数で言えば「6」

つまり、よく分からないのだ
「2年」が長いのか短いのか


断続的な作業だった
自分の役割は、微々たるものだったかもしれない
けれども全力は尽くした
経験や知識のない部分は、死に物狂いで調べ上げた
やれる範囲で、やれるだけのことはやった

やって、良かったと思っている


サンプル盤が出来上がった
今までに経験したことが無いほど、感慨深い

5月の終わりに
リリースされることが決まった

俺は
Liquid Screenというバンドでドラムを叩いていることに
誇りを持っている

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Oct 26, 2006

重層的

長い時間をかけてゆっくりと読み進めていたカズオ・イシグロの『わたしたちが孤児だったころ』
少しだけ酔いの回った寝床で読み終えて、噛み締めるように読了感を味わっていた

記憶というものに立ち現れる
重層性と曖昧さと自己欺瞞と自己憐憫とを
容赦の無さと優しさとの二重の視点で丁寧に掬い取りながら
優れて現代的な問題を物語の中へと編みこんでいる

つまり、見事な物語だとしか言いようが無い
胸を掻き毟られるように切なく、厳しく、同時に優しい


               *


ライヴで東京に行った折に
シンタロウの家に泊めてもらった

皆が眠ってしまってから
朝まで、ゆっくり話をした
やっと、そうやってゆっくり話をすることが出来て、心から嬉しかった

翌日、バス停まで送ってくれたシンタロウに
バスの車窓から手を振った
俺は、心の狭い大馬鹿野郎だったと、そう思った

多分、笑えていたと思う
ありがとう
またな


               *


今井君がラフにミックスしてくれた3曲分のMP3を
繰り返し何度も聴いている

ほとんど全部が詰まっていると思う
ディティールにも、力点にも、流れにも
俺らが描いてきた軌跡の、感情の、修羅の、その灰の、殆ど全てが

とにかく、これを完成させなければ


               *


穀物相場の変動がダイレクトに影響してくる場所で働いているので
そういった関連のニュースを見ることが多いのだけれど
自動車向けのバイオ燃料(コーンから精製したエタノールだとか)の増加によって
今までとはまったく異なった経緯で相場変動が起こっていることが分かる

70年代初期並みの穀物不足が予想されるような現状にあって
大きく二つの因子が挙げられている

一つは上に書いたバイオ燃料の消費量が急激に増加したこと
もう一つは、中国の穀物生産量が自然要因ではなく、経済要因によって激変したこと

「それみたことか」な調子で自動車社会に警笛を鳴らそうとしたり
中国を農業社会へと押し返そうとするような
そういうエコ丸出しの論調を沢山見かける
それは、あまりにも、甘いと思う

経済原理の強大な力を、甘く見すぎているのだ
もっと平たく言えば、経済的に豊かになりたいという願望の強さを
高みから馬鹿にしている

アホじゃないかと思う、そういうエコ驕りは
ダブルスタンダードの片一方を
なるべく見えない範囲へと、箒で掃き寄せるような行為だと思う
欺瞞だよ、そんなの

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