Mar 24, 2013

梵とお姫さま

双子の小さな男の子と女の子がご飯を食べに来るというので
マカロニとほうれん草とベーコンのグラタンを焼いた

どうしても梵と遊びたいと言うので
犬と一緒に凛娯館を探検させてみたら
随分と楽しかったらしい

 「あたしね、将来お姫さまになってここに来るの」
 「なになに? 梵ちゃん連れて行くの?」
 「お姫さまになってここに来てね、住むの」
 「そーか。ほな待ってるからおいで」


               *


どういうわけか人参のストックが多かったので
トルティーリャを焼くのと同時にポタージュを作った

セロリ、ベーコン、玉ねぎと一緒に
適当に銀杏に切った人参を
弱めの中火でじっくり炒め
しばらく煮込んでから味を整え
最後に牛乳を入れて火を止め
ハンディーブレンダーで仕上げる

炒めて青臭さを消し、甘みを前に出してやると
色よく癖がなく口当たりの良いスープに仕上がる
こういう単純な料理がうまく出来ると嬉しい


               *


発作的に休暇を取り
自転車に乗って数十分走り
とある河川の合流地点へ向かった

パックロッドを組んでプラグを結わえ
石積み護岸を歩きながらキャストを繰り返した
魚信は無かったし
清々しい流れでもなかったけれど
身体に溜まっていた澱が流れて
随分と気持ちが楽になった

今年は、ちょっと無理をしてでも沢山釣りをしよう


               *


皮の薄い小さなメークインが安く出回ると
ついつい反射的に買ってしまう

皮付きを縦半分に切ってしっかり炒めてから
野菜やベーコン、あるいは鶏肉なんかと共に
時間をかけて蒸し焼きにする
味付けはシンプルに、塩胡椒だけ
タイムやローズマリー、オレガノなどで
少し香りづけしてやるとグンと品が良くなる

こういう料理は、作ってて本当に楽しい
単純に自分好みの味だから、かもしれないけど

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Jan 25, 2013

料理と音楽と釣り

スタジオでドラムを叩く行為から遠ざかっていた間
端的に「音に没入すること」から遠ざかっていた
ということに気づく

「外からどう聴こえているだろう?」というノイズは
思いのほか音量が大きいものだ
自分のプレイを客観的に、などと言えば聞こえは良いが
要するにそれは他人の評価を気にする卑屈な意識の残響で
悪い意味でのノイズに過ぎない(音には「良いノイズ」がある)

バランスよく身体が制御できている状態で
音に没入している間、悪いノイズが消える
音と身体の間にあった薄皮が剥がれ
音の憑依が起こる
荒くおおまかに分割されていた打点と打点の間が
無段階にどこまでも広がり
打つべき点までの距離が綺麗に見通せる

自分が未熟だと思うのは
身体の制御に至るまでの助走が長く
音に没入できる時間もたいして持続できないからだ

未熟さを脱するにはトレーニングしかない
終わらないと分かっていても
それをするより他無い
しかし、その終わらない感覚こそが楽しいのだ
それを、随分長い間忘れていた

あくまでも「自分にとって」の話なのだけれど
料理も、音楽も、そして多分釣りも
没入の感覚はとても良く似ている

だからこうやっていつまでも
胸が高鳴るし、心が踊るのだ
料理も、音楽も、釣りも


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Dec 17, 2011

春のアブラビレを夢想する

この何日かずっと
春の日の河川に立つ自分を夢想している
日がな一日、誰とも口を聞かず
ただただ竿を振り続け
呆けたように河原に座って握り飯を頬張り
また、阿呆のように竿を振り続ける
そんな春の日を夢想してばかりいる

来年の春から初夏
何度か、実家近くの河川に通ってみようと思っている
狙いの魚が釣れなくても良い
ただ、阿呆のように、日がな一日釣りをしたい


               *


外で何を食べるか
それを考えるのが億劫になってきた

気になる店があって
最初から「行こう」という話ならいいのだけれど
諸々の都合で独り外食せざるをえない場合
たいていは安価に済ませたいこともあり
とてもとても面倒臭い気持ちになってしまう

外だと大体塩気がキツイし、味も単調かつ過剰だ
嗚呼、面倒くさい
まったく気が乗らない

家でちゃちゃっとこんな焼きそばしたら
百円くらいのもんなんだけどなあ……

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Oct 14, 2011

秋の海、秋の山

相方のご両親のところに梵を預け
実家に帰ってのんびりと過ごした

実家ではのんびりし過ぎて
殆どカメラを手にしなかった

釣りも、自転車で行ける海岸で少し竿出ししたり
満潮時間に合わせ、夜中に兄と二人で
内浦の漁港に行って烏賊(1杯のみ)を釣ったり
そんな程度、根を詰めることも無かった

だけれどやはり、海でキャストを繰り返すのは良い
頭の中がスッキリする
スッキリする、というよりは
水の中のこと以外何も考えてない状態になる

干物や鮮魚を買い込み
再び相方のご両親宅にお邪魔して
秋の収穫を分けていただいた

帰ってきてから食材の処理、調理が一仕事だったのですが
しかしまあ、ほんとうに有難い話です

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May 14, 2011

甦るみつる食堂、記憶を叩くシウマイ、それからコアユ

連休を取って、一人帰郷していた
特に目的もなく、7フィートの柔らかいシーバス・ロッドを片手に
ぶらっとバスに乗り、北へ帰った

貸店舗だらけの商店街を見るのは少し辛かった
典型的な地方都市の現在がまざまざとそこにあり、目に苦い

刺身を食べ、泡盛を呑み、あれやこれやを話した翌朝
というかまだ深夜、真っ暗な内に自転車を漕いで峠を越え
かつてよくセイゴを釣った湾内の入り江に行き
ひとしきり小さなサブ・サーフェイスを投げ倒したが
コツンとも当たらず、ボラの跳躍を眺めながら朝を迎えた

その後、ラインの潮を洗う目的で野池に行き
トップのプラグを投げ倒したのだが
バカを座笑うかのような野鯉の激しいはたき込みを見つめながら
朝まずめの終わりを迎えた

少し情けない心持ちで家に戻り
半覚半睡の状態で2時間ほど寝返りを打ち
鰯の干物と若布のみそ汁で朝食
ボーと午前を過ごす

               *


これはもうアレしかないと思い立ち
兄に相談を持ちかけると
とりあえず腹ごなしをしてから行こう、ということに

友よ、これがかの「みつる食堂」で出されていたシウマイだ
正確に言えば一人の男の情熱によって再現されたものだが
味は非の打ち所無く完璧に「みつるのシウマイ」である
盛りつけも正確に再現しているし
みそ汁の味、豆腐の巨大さもそのままだ
以前にも一度書いたが、俺はこのシウマイを世界一だと思っている

主要メニューは殆ど再現されていた
胃袋が一つしかないのが悔しい


               *


「雨降ったから分かりませんよ、それまでは釣れてましたけど」

釣具屋店員の態度は素っ気なかった
坊主逃れに他の仕掛けも用意しようかと思ったが
男らしく初志を貫徹しようと言うことになる

極小さな、殆ど素針のようなサビキ仕掛けをセットして
堤防から糸を垂らすと、ブルブルと気持ちよいアタリ

川に遡上する前の美しいコアユが湾内に湧いているのだ
コマセも何も要らない簡単な釣りだ
恥ずかしながら、今までこの釣りを知らなかった

氷も用意していなかったので、30分ほど釣って帰ることにした
腰を据えて二三時間やれば三桁は確実だが
しかしそれでも十分満足だった

「釣りたてで新しいからお腹破れへんわ」

流石に琵琶湖に近い土地で育った人だけあって
母はコアユに詳しい
あっという間に梅干しを入れた飴炊きにしてくれた

「おばあちゃん、料理はヘタやったけど飴炊きだけは上手やった」

母方の祖母は、大きな鍋で琵琶湖のコアユを沢山炊いたという

遡上前の綺麗なコアユは
いままで食べたどんなコアユよりも美味しかった
また一つ、季節の帰郷の楽しみが増えた

母に飴炊きの要領を教えて貰わなければ、と思う

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May 08, 2011

鯰河原2011

パクチーたっぷりの冷やし中華と焼き野菜の夕食を終え
台所をざっと片付けてから
鮮やかなピンク色の磯用フローティング・ナイロン5号を
セミダブルのチャンピオングリップに着けた赤い5500CSに巻き直した
トップのプラグ3個、ヘッドライト、プライヤー、鋏、ボロボロのデジカメを
いつもの小さなショルダーポーチに突っ込んで
フィリプソンを片手に持って

「ほなちょっと行ってきます」

重機で均された悲惨な川を少し上手に行くと
丁度いい雰囲気の瀬尻があった

ボサ沿いにジッターをキャストしてポコポコやると
一投目から「ボシュッ!」と出る
あ、これはもう話が早い

三投目で乗った目測45cm
もう十分満足だけれど、ちょっとだけキャストを楽しむ
数回水面を割って出て、一回バラして、もうこれでOKだと納竿した

玄関出て、帰ってくるまで、計40分のお気軽釣行でした
楽しかったなあ
また行こ

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Oct 27, 2010

栄冠は君に輝く

例によって例のごとく
水門横のテトラに乗って延々とキャストを繰り返していた

 (アカン、全然潮動いてない)

潮止まりまで少々ヨレのあった海面は
のっぺり平坦な感じになってしまった
何度かあった「ココン」とつつくようなコンタクトも
すっかり無くなってしまった

テトラ帯を河口側に向かって移動していくと
払い出しでヨレた海面が見えてきた
背後には煙突

しばらく投げてみるがやはりコンタクトは無い
隣にやってきたカチヒロさんに訊くと
シーバスとキビレが1本ずつ上がっているという

時刻は19時35分
思い立って大移動することにした

大会本部に到着すると
直ぐ目の前でテープ屋さんがヒット&即バラシをしたところだった

そこから砂浜を目指したのはほとんど無意識だった
特にストラクチャーがあるわけでもないし
海面がヨレていたわけでもない
ただなんとなく「ここだ」という気がして
二三歩ずつ横移動しながらキャストを繰り返した

「ガッ! ゴゴゴッ!」

間違えようのないアタリに咄嗟のアワセをくれると
沖目の海面が割れ、魚体の飛翔が見えた
鱸だ!

滑るドラグを調整しハンドルを掴み直して
慎重を期して追いアワセをくれる

「パーン!」

げっ!
穂先無くなったがなっ!

この日の為に用意した超高級パックロッド(7000円)が
フェルールの芯からポッキリ折れてしまったのだ

ラインのテンションが緩んでしまい
これはもうバラしたなと思った瞬間
再び走りだした鱸がドラグを鳴らした
まだバレてないっ!

ロッドの傾斜角度を必死で変えながら
無我夢中で寄せて砂浜にずり上げた
周りに視認者が誰もいないので
大会本部まで必死で走る

その後の記憶は朦朧としている
わあわあ言いながら記念撮影となったのだが
この有様である

腰は引けてる
ボガの使い方おかしい(Nobbyさんスイマセン)
魚のホールドの仕方おかしい
顔おかしい……のは元からか

大挙して砂浜へ走る人々を遠く見つめながら
別にまあ、こんなコンディションで釣れただけでもめっけもんだし
竿だってまあ、充分元は取れた気がするし
とにかくまあ、このまま逃げ切れなくて優勝できなくても良いし
などと考えていた

20:30
信じられないことに、俺の優勝が確定した
苦節(嘘)8年
ついに真のアホの証、赤いアホアホキャップを手に入れたのだ!


授賞式の瞬間、アホの化身、なんちゅう顔や……

主催、参加の皆様方
ほんとうにどうも有難うございました
こんなに嬉しいことはありません


               *


後になって考えてみると
あの鱸をかけた場所は
確か2回目の参加時に小さなミノーを岸際に投げて
50cm台のを取ったゾーンだった
なんというか
とてもパブロフ的な気がする……


               *


Handybikeをキコキコ漕いで
阪神電車に乗り込む

車窓に写る赤いキャップのアホの頬には
砂浜で飛び散った泥が付着しており
ニヤニヤと締まり無く
まったくもってだらしない表情なのであった


画像提供:@ngling.net, Nobby's Diary

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Oct 24, 2010

get the glory

本日怒涛の3記事連続アップです
お暇な方はお付き合い下さい


               *


久しぶりに出したHandybike8をキコキコ漕いで
淀屋橋から梅田へ
会社を早退した馬鹿が背負ったリュックからは
買ったばかりの某社製超高級パックロッド(7000円)がニュッと突き出ている

今年で何回目の参加になるのか、指折り数えてみる

 「うわっ!8回目やん……」

Handybikeを折り畳んで階段を降り
阪神電車に乗り込んで更に西へ

駅を出て再びHandybikeを組み上げ
またもやキコキコ漕ぎ続けるうち、空気に潮の香りが混ざり始める

今年もまた、ここへやってきた

新のアホだけにしかかぶることの許されない
赤いアホアホキャップを目指して
日々様々な問題と格闘して疲労困憊しているオッサン達が
時にプライドや気概を捨ててまでも戦い抜く
それが「湾岸バトル」なのだ(9割嘘)

いつもの大会本部にて
和やかに高級くるくるお持ち帰り寿司を食べた後
戦いの火蓋が切って落とされる

 「ほな、ぼちぼちはじめよか」


……そして奇跡が起きた (続く)

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Sep 27, 2010

ケタコ

レンタカーを借りて
琵琶湖西岸の浜に向かった

県境を越えて眺める風景と
Elizabeth Cottonの音楽とが
完全なシンクロ

シーズンが過ぎた平日の遊泳場は閑散としていて
呆れるほどに長閑で、大変気持ちが良い

タープを張り
鯖寿司を頬張ってから
相方は寝転がって本を読み始め
俺はタックルを組んでベルトに梵を結わえる

ドピーカンの昼間だというのに
1キャスト目から早引きのメタルジグにアタックが連発する
超高速のチェイスが丸見えで興奮はいきなりマックス
即座にかなり良型のケタコがヒット
大騒ぎしながら足下まで寄せたところで痛恨のバラし

その後は延々バラしの嵐
ろくずっぽ手入れしてないルアーばかりだから
とにかく全部フックポイントが鈍っているのだ
うーむ、シャープナーも入れ忘れとるがな……

タープに戻っていったん気を静め
一番刺さりの良さそうな細軸のトレブル・フックを外し
スプリットリングを二つ介してジグに移植
よし、もういっぺん行くぞ、梵

ぐっはー!
釣れたわー!
あひゃひゃひゃひゃー!

うわー!
写真撮る寸前で浜に落としてもた!
すまんケタコよ!
おっちゃん、生まれて初めてケタコ釣って興奮してんねん!

なるほどなあ
この固い顎やしバラしも多発してんなあ
しっかし綺麗な魚やなあ
クーラーがあったら持って帰って食べたいところやな
(琵琶湖畔に暮らした母親はケタコを「とても美味しい」と言っていた)

即座にリリースして
元気に沖へ帰っていくケタコを見送りながら
充実した休日の午後を噛みしめたのでありました

jamさんありがとうございます!
おかげで素晴らしい休日でした!

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Sep 09, 2010

コロッケとトンカツ

墓参りついで
実家に帰り
本当に久しぶりにいつもの港へ

気移りしそうなのを押さえて集中するために
餌木だけをポーチに入れて出かけた

なるほどこういうパターンか、と
立て続けに2杯釣った後
場所移動しつつも続かないのが「腕の無さ」だろう

まあでもそれで良いのだ
烏賊釣りは目的の半分
後の半分は

ぼんやり海を眺める時間が目的だったのだから

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