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May 21, 2014

健康体

梵と暮らし始めたのは2008年の4月
なので6年が過ぎたことになる

家に来た時、既に4歳だったから
もう10歳を超えている

食べ物に対する執着は相変わらずなのだけれど
他の面では歳相応にすっかり落ち着いた
手がかからなくなって楽な反面、少し寂しい

かかりつけの獣医の所へ連れて行き
混合ワクチンの接種を受けさせ、血液検査もしてもらった
普段気になっているポイントを質問し
丁寧に検診してもらったのだけれど
どこも悪いところは無いようで一安心した

健やかに長生きしてくれれば
それだけで、後は何にもいらんよ

こんなにも犬を愛せるようになるとは
思いもしなかった

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May 20, 2014

今晩出かけるからラザニア焼いとくよ

合い挽き肉が安くなっていたら買うようにしているのだけれど
食材の組み合わせの都合で、使い切れないことがある
少量なら炒めものや辛味噌なんかにしてしまうのだが
ある程度まとまった量がある場合には、ミートソースを仕込む

ボロネーゼなどというほど本格的なものではないけれど
香味野菜、特にセロリはなるべくたっぷりと使い
時間をかけてしっかりと煮込んで作るソースは
色んな料理に使いまわしがきくので、とても便利だ

久しぶりにたっぷり仕込んだソースを冷蔵庫で二晩寝かせ
店用にムサカ、家用にラザニアを仕込むことにした

ホワイトソースは豆乳で作る
これのお陰で、随分軽い仕上がりになるのだ

晩に用事があって出かける日の早朝
ラザニア生地を茹で、耐熱皿に仕込んだ材料を重ね
オーブンで焼き上げる

豆乳を使う分少々軽くなるとはいえ
やはりどっしりとした料理なので
そうそう頻繁にやるわけではないのだけれど
偶にこうやって自分で焼いたのを食べて
安い赤ワインをコップで飲んだりすると
ああ、飾らなくて美味い料理だなと、しみじみ思う

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May 14, 2014

映画の時間、手巻き寿司

 フレデリック・ペータースの『青い薬』というBDを読んだ。細やかな感情の機微と画調とが、必然を持って結びついているようなBD。描き始めた当初の目的は出版になく、非常に個人的な動機からであったと知り、またその制作の経緯を併せて読み、必然の意味合いが腑に落ちた。

 恋愛とHIVを巡る、とても個人的な物語でありながら、道徳ではない、倫理の普遍的な問題に優しい光を当てている。美しく、胸を締め付ける物語だった。


               *


 その『青い薬』の最初の方に、アトム・エゴヤンの「ぞっとしない映画」を観るコマがあり、「もしかして『アララトの聖母』だろうか、それなら(ぞっとしない)なんて変だな」と首を捻っていた。後から二人の出会った年が2000年だと知り、それなら『フェリシアの旅』のはずだと思った。エゴヤンの映画は『エキゾチカ』『スイート・ヒアアフター』と追いかけて、何故か『フェリシアの旅』を完全に見過ごし、『アララト~』以降のものは見る機会がないままだ。どうにかして時間を作って観てみたいのだけれど、何時になることやら。


               *


 家で映画を観る時間がなかなか作れない代わり、4月に入ってから相方と二人で無理矢理に時間を作り、映画館へ行くようになった。時間が取れないのに無理やり時間が作れるというのも不思議な話なのだけれど、そういうもんだ。忙しく動きまわる場所から(一時的にせよ)いったん身を引き剥がす決意をしないと、ずるずるどこまでも忙しさに振り回されてしまう。

 決意していきなり『チスル』『アクト・オブ・キリング』と二週続けて観て、二人して大変なダメージを受ける。息抜きや娯楽を求めて映画館に行ってるわけではないし、倫理観や歴史観をグラグラに揺さぶられてグッタリするのは、とても良いことだと思っている。これもまた映画の醍醐味だ。

 それぞれ、まともな感想はとても書けそうにない。圧縮されているものが大きすぎるし、自分の中にこじ開けられた穴が大きすぎる。

 ただ『チスル』について一言だけ言えば、自国の黒い歴史に光を当てようとするような、つまり公正さを希求するような土壌が韓国の映画界にはしっかりと根づき始めている気がした。そしてそれは、日本の映画界が徐々に失い、すでに風前の灯火となっているものだ。

 そして『アクト・オブ・キリング』について、俺が何か言えるとすれば、あれは「戦争」「内乱」「歴史」「社会情勢」などといった分析の対象となりうる何かを追ったものではなく、思考で追尾することが不可能な人間の「真っ黒い不可解さ」を正面から見据えるため、そのツールを「発明」した映画だということだ。 

 罪そのものではなく、罪の意識が悲鳴を上げながらぱっくり傷をひらく。そこから歴史が見えている。それは罪そのもののように記録・記述されない。傷口から流れる漿液や血液のようにして、歴史は見える。決して思考で追尾されず、記録されず読まれない、ただ傷口のショックとそこへの共鳴だけが見せる歴史。仮に『アクト・オブ・キリング』が人間の歴史に関する映画であるとするなら、そういった意味の歴史であろうと思う。


               *


 手巻き寿司が爆発的に流行したのは、80年代のことだったように思う。CMなどを通じて仕掛けたのは広告代理店だったに違いないのだけれど、生鮮食料品の流通システムや生活様式の変化の中で、ある種の必然を持って流行したのではないだろうか。

 人の家でご馳走してもらったことは何度かあるのだけれど、自分で用意したことは一度もなかった。ふと考え直せば、特に難しい準備が必要でもないし、今のような大人数の暮らしにはもってこいのメニューではないか。

 食料を買い出しに行く日、ビンチョウマグロ、ハマチ、真鯛のサク、大きなコウイカを一杯、それに大判の海苔を仕入れた。翌日の仕事帰りに、胡瓜、アボカド、カイワレ、サーモン、カニ(もどき)を買い足す。

 持ち帰る際に圧力がかかって墨袋が破裂したコウイカを下ろすのには難儀したけれど、後はサクを手頃なサイズに切って大皿に盛り付けていくだけだ。少し甘みを入れた玉子焼きは相方が仕込んでおいてくれた。昆布を入れて硬めに土鍋炊きしたご飯と、ジャーに残っていたご飯を酢飯にして準備完了。

 こういう大皿を並べると、ちょっとワクワクするではないですか。

 レタスやマヨネーズなんかも用意して、カリフォルニアロールも出来るように。

 これ、良いなあ。人数多ければそんなに材料費もかからないし、随分贅沢な気分になれる。作るのも食べるのも楽しいから、またやろう。

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May 09, 2014

組み立てること

大きくて元気そうなズッキーニも出回ってきたし
トマトも健康そうなものが出てきた
新玉ねぎの美味しい季節なので
それらをサラダにしてお出しすることにした


ズッキーニとトマトは角切りにして
予めドレッシングに馴染ませておく
新玉ねぎとブロッコリースプラウトは
そのままの味を食べてもらいたいので
軽く塩を振るのみ

多少は季節感を出せたんじゃないかと思う


               *


セロリやベーコンの微塵切りをベースにして
トマトの味でひよこ豆を煮込んだ
皮を取り除いた生ハーブソーセージを入れて
香りとコクをプラスして仕上げてみる

独特の食感と甘味を殺さぬよう
複数の味わいで包み込むように煮込んだ
優しくて、少し「異国」を感じるような一皿にしたかった


               *


実は鯖よりも身の劣化が速い鱈
ポルトガル料理の手法を取り入れるようになってから
仕入れた後は早めに塩を打って脱水するようにしている
いったん塩〆してから加熱調理すると
独特の香りは抑えられ、旨味はグンと増す

適当な大きさに切った塩〆鱈を並べ
オリーブオイルを混ぜ込んだ香草パン粉をたっぷり乗せ
オーブンで焼き上げてみる

熱で調和したそれぞれの味わいと
幾種かの異なった食感が口の中で融和する
ディルソースを合わせようかと迷ったのだけれど
過剰さを嫌って葉をあしらうのみにした
付け合せはジャガイモのガレット
好みでレモンを絞っていただくことに


               *


美味しいモロッコ料理を食べて以来
レモンの塩漬けを常備するようになった
北アフリカの料理をあれこれ調べるようにもなり
偶に、そういった要素を家の料理にも持ち込んだりしている

フレッシュのコリアンダー(パクチー)を沢山刻み
イタリアンパセリも合わせて微塵に刻む
レモンの絞り汁とオリーブオイル、塩胡椒
それに何種類かのスパイスとすり下ろした大蒜を合わせ
鶏腿肉を漬け込んでおく

耐熱容器に輪切りの玉ねぎを敷き詰め
オーブンでじっくり焼きあげると
たまらない芳香がキッチンに充満する

北アフリカ風のグリルチキン
塩漬けレモンの薄切りをのせ
赤ピーマンとアスパラガスのピクルスを付け合わせに
まるで万華鏡のような香りと味わい
どこかの国にありそうで、実は何処にもない料理


               *


ムール貝をワイン蒸しにして一度取り出し
その出汁をソースに仕立てて茹で上がったパスタに絡め
皿に盛ってからムール貝をあしらい
イタリアンパセリを散らして仕上げた

シンプルだけど、良いパスタになったと思う


               *


コース料理を組み立てるのは、本当に難しいけど面白い
毎回毎回、脂汗が出そうなぐらい考えこむのだけれど
綺麗に食べきっていただいた皿を見るのは
とてもとても嬉しいもんです

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