May 27, 2012

レタス包みについて、思い出すことなど

本格的な中華料理を初めて食べたのは
おそらく高校生の時分だったのではないかと思う
神戸の南京町にあるお店だった

当時は兄が神戸に住んでいたこともあり
そのお気に入りの店に家族で何度も通った
給仕のおばちゃんはいつも二階の良い席に案内してくれて
料理のことを質問しても嫌な顔ひとつせず彼是教えてくれた

その店で初めて食べてビックリして
その後何度も繰り返し食べたメニューが幾つかある
レタス包みはそのうちの一つだ

オイスターソースを基調にした味付けで
豚の挽肉と筍や香味野菜などを甘辛く炒め
揚げた春雨と一緒にレタスに包んで食べる
シンプルだけれども、豊かな食感で
とてもレンジの大きな美味しさを楽しめる料理だ

その店以外の店でも何度か食べたのだけれど
どう考えてもその店のものが一番だった
おばちゃんはいつもレタスのおかわりをサービスしてくれた

母親は、すぐに真似をして作るようになり
自分も、早いうちからレパートリーに加えた
何度かの変遷を経て、お店の味からは離れたけれど
自分なりの味に落ち着いてきているように思う

一番大きな変化は、鶏胸肉のミンチを使うようになったこと
最近の傾向としては、タイの調味料をプラスするようになった


               *


生姜、冷凍してあった椎茸、筍、セロリを微塵に切り
鶏挽肉と炒め、8割火が通ったら酒を振り
オイスターソース、ナンプラー、シーユーダムで味を決め
強火で水気を飛ばすようにして炒りつける
今回は胡椒などの香辛料は使わず
最後に胡麻油をひと垂らしして香りづけ

この料理を作る時に一番楽しいのは
高めの温度にした油で春雨を揚げる作業
魔術のように一瞬で膨れ上がる春雨を見るのが面白い

芯近くに包丁を入れて剥がしやすくしたレタスを用意し
揚げた春雨を敷いた皿に挽肉炒めを乗せれば
レタス包みの出来上がり

シャキシャキしたレタスの瑞々しい食感に
香ばしい春雨のボリュームと
ガッツのある挽肉炒めの味わいが包まれると
とてもとても「幸福な味」になる


               *


件の中華料理屋、最後に行ったのは7年ほど前だろうか
スタッフは完全に代替わりしているようで
おばちゃんの姿は見えなかった
レタス包みは食べなかったけれど
幾つかの料理は、本当にしっかりと味を守っていて
とても嬉しい気持ちにさせてくれた

またそのうちいつか、レタス包みを食べに行こう

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May 26, 2012

家焼鳥のCPに関する報告

「意外といってもうたな」という額になりがちなのは
焼鳥屋とお好み焼き屋ではないかと思う
特に焼鳥屋は、一本あたりの単価に錯覚して
次々調子よく頼んだ挙句……という愚を犯しがちだ

 アレ? 俺だけか?

確かに上手い店で炭で焼かれた鳥は美味い
しかし近年になって
家でもそこそこ美味いのが焼けるようになってきた

コツという程のものは無い
使うのは魚焼き用のフタ付きグリル
上部が耐熱ガラスで中が見えるタイプが良いと思う
そのまま焼くと串が焼け焦げて折れてしまうので
アルミ箔を折り重ねて「鍔」のようなものを作り
手前に設置して端を内部の網で押さえ
串が焼けるのを防いでいる
自分で考えた工夫はその程度のもの

コツは無いのだが、問題になるのは煙だ
窓全開、玄関全開で換気扇を回しても
モクモクと噴出す煙が部屋に充満するのは防げない
しかし、この煙で燻されることで
如何にも焼鳥らしい美味しさが生まれるのだ

以上、グダグダした前口上は終了


               *


帰宅時に「あっさりかこってり、どっち」というメールを送信すると
「塩味」という返信がきて悶絶していたのだが
続けて「焼鳥」というリクエストが送られてきた
了解了解、久し振りだね

ハラミ(横隔膜)、肝、肝から外したハツ、皮、腿
全部あわせても数百円程度の出費
さっさか串を打って下拵えしておき
先にに獅子唐とエリンギを焼いておいてから
塩の分をどんどん焼いて
タレの分をガンガン焼きあげる

こちらが塩の分にございます
塩2:タレ1ぐらいの割合で丁度良い年齢になりました
七味、柚胡椒、ザク切りキャベツ(木の芽味噌)、冷奴
エリンギと獅子唐にはレモンと醤油

こちらがタレ・ゾーンにございます
山椒の粉切らしてたのが痛いなあ……

「これ、焼鳥屋だったら1人4000円ぐらいいくよな」

などと言いながらパクパク食べていく

先日、フサノ君から貰った良い日本酒も開けて(有難う!)
心ゆくまで食べても全然食べきれない分量
というか、端からそういう計算でたっぷり焼いてます

寝る前に温泉卵を仕込むのを忘れずに……

翌朝は焼鳥丼というのが我が家の定番
炊きたてご飯にのっけるだけなのに
なんでこんなに美味いのか?
味噌汁よりも吸い物(麸と葱)が気分ですわ

今回はこれでもまだ消費しきれず
残りは弁当用として冷蔵庫に格納された
どんだけCP高いねん、家焼鳥って……

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May 23, 2012

手癖を越えて、国境を越えて

比較的安く羊肉を買える肉屋があって
休日に気が向いた時など
安い腕肉の塊を買っておいたりする

やはりクミンのようなスパイスとの相性が良く
そちら方面の煮込みにすることが多いのだけれど
中央アジアの料理も中近東の料理も
本物を食べたことはない

幻想が具体的な味になっていくのも
料理の面白さの一つだと思う
行ったことのない土地の食べたことのない料理を
頭の中で組み合わせる中で
普段の料理の手癖を越えて行くのだ

仕事を終えて帰宅してから
新疆産の翡翠色した干し葡萄や
冷蔵庫に残っていた野菜を使って
幻想の羊料理を形にする

曼荼羅のようなスパイスの香りが
部屋を満たし、口腔を満たす


               *


以前に友人が作ってくれたファラフェルの味が忘れられず
偶々、大量のパセリとパクチーをもらっていたので
自分でも作ってみることにした
勿論、本物は食べたことがない

一晩水に漬けて戻したひよこ豆と
かなり大量のパセリ、パクチー
玉葱、生の青唐辛子、ニンニク
少し強めの塩、クミンなどのスパイスを
フードプロセッサーで細かめに砕き
容器に入れてラップでしっかり塞いで
冷蔵庫に寝かしておいた(ここまで出勤前に準備)

羊の煮込みをあらかた終わらせたところで
ファラフェルのタネにベーキングパウダーを少々混ぜ
丸く形作り、中高温で一度軽く揚げ
少し高めの温度で軽く二度揚げにする

伝統的なソースがあるようなのだけれど
今回はレモンを絞るだけにして
そのものの味をしっかり記憶することにした

カリッとした表面の歯ざわりの良さ
ホクホクした中身の柔らかな甘み
幾重にも立ち上がる香菜とスパイスの芳香
素晴らしく美味しい

次はピタの焼き方を学ばねばならんな……

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May 19, 2012

はっさくピール

管理された果樹園ではない場所で作られた八朔をもらった
とても美味しく、皮も大変いい匂いがしている
マーマレードでも作ろうかと思っていたら
所謂オレンジピールを八朔で作っている人がいて
美味しそうなので真似することにした

剥いてから一晩水につけた皮の内側をこそぎ
ざっと茹でてから水にとって洗い(苦味抜き)
砂糖煮にして、焦げないように煮詰めていき
粗熱とってからクッキングシートに並べ
グラニュー糖をまぶして1日程度乾燥させる

これはまだグラニュー糖かけたてぐらいの画像
とても濃いオレンジ色が美しい
少し苦味を残すぐらいでやってみたのだけれど
これ、すごく美味しい
多分、クリームチーズとの組み合わせが良いと思う
細かく刻んだのをパン生地に入れて焼いても良いだろうなあ

手間はかかるけれど
色んな柑橘の皮で試してみたい

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May 18, 2012

みどり

リュック、筆箱、スマートフォンのカバー
身の回りのものには緑が多い
ついつい選んでしまう色なのだ

職場で書類をファイルしている2穴フォルダーの背表紙も
結局、全部みどり色にしてしまった

別に自然志向というわけでもないし
ことさら植物を愛しているわけでもないのだけれど
ついつい、そうなってしまう


               *


沢山頂いたパクチーをせっせと消費している
ちょっと中毒性があんのよね、これって

冷蔵庫に残っていたメンマを細切りにして
白葱と干し海老と生姜とパクチーを具材に
ごくごくシンプルな焼きそばを作った

味付けはナンプラーのみ
太い茎の部分も食べたかったから
パクチーは生のままあしらわず
ザクザク刻んで最後の最後に軽く炒め合わせた
ライムが本当によく合う

しかしこれだけでは昼ごはんとして軽すぎるから
冷凍庫に残っていた筍ご飯を解凍した

ここにも木の芽のみどりを「パンッ」と叩いてあしらいます

目にみどり、舌にもみどり
初夏だねえ

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May 13, 2012

家族で家族を超えようと思う

5月の光を吸った新緑が目に痛いほどで
散歩しながら何度も何度も立ち止まってしまうから
梵は少し不満気な顔をしている

家族を拡張するなかで
家族を超えていこうと考えている
それは、大きな船だ

ついに具体的な話として
それは動き始めた

後もう少ししたら
みなさまに色んな事をご報告できると思います
どうぞ、お楽しみに

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May 11, 2012

オワカレ

着ていない服、使っていない道具類、壊れた家電
不要物をあれこれと処分し始めることになり
大きなラックにドデンと収まっていた3点キット
少し特殊なドラムのことを考えていた

高いものではないけれど
自分の好みに拘って揃えたキットで
ハードウェア類も、中古ながら良い物を買った

数えるほどしか出番がなかったけれど
色々と思い出深い
しかし使ってやれないのが不憫だ

これからもドラムを叩くとは思うのだけれど
免許も車もない人間が、またこいつを使うとは思えない
だから使ってもらえそうな人に譲ることにした

パールのエントリークラスのキットを改造したもので
タムは10インチ
よく乾いていて、音抜けは良い

12インチのタムを改造してフロアにしたもの
ピッチは高めになるけれど
アタックの輪郭が明瞭で、好みの音が出た

バスドラは16インチのフロアを改造したもの
フープはそのままだし、構造上胴鳴りは小さいのだけれど
アタックのPA乗りはとても良くて、ライブハウス向けだと思う

久しぶりにケースから出して組み
兄から譲り受けたPlanar45mmで
慈しむようにして画像に収めた

サヨウナラ、大好きなドラム
まあでも、またすぐ会える

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May 06, 2012

コンフュージョン、フューチャー、こどもたち

国内のすべての原発が止まった
この日を、ずっと待っていた

俺がこの世に生まれてきてからずっと
この国で原発が止まっていたことは無かった
そのことがずっと不安だったはずなのに
少年を過ぎて青年期のいずれかの時期に
何処かに不安を置き去りにして
忘れたふりをして
愚鈍な大人になり

2011年3月11日
現実が愚鈍を打ち砕いた

ところで
カルロス・ゴーンが如何に優秀な経営者であろうとも
原発と日本経済に関する彼のサジェスチョンは間違っている
どう数字を並べて論理を尽くそうが、間違っている

混沌から未来を創出するひとたち
つまり、こどもたちをまったく信用せず
こどもたちにツケを残すことで「生き残ろう」とする
その根っこのアイデアが間違っている

こどもたちはおまえらに育てられはしない
こどもたちは端的に生きるだろう
大人は嘘を生きないことでのみ
いや、せめて嘘を自覚して認めることでのみ
混沌から「その先」を生きるこどもたちに向けて
何かを語りかけることが出来る

薄焼き卵を錦糸に切り
茗荷を刻み
茹鶏を切りそろえ
トマトを切り
パクチーを刻み

茹で上がった中華麺を水でしめながら
そんなことを考えていた

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May 02, 2012

ふき、来たる

宮島さんからフキが届いた

遠い昔、もしかしたら
高円寺などですれ違っていたかもしれない
だけれども、一度もお会いして話をしたことはない

不思議な縁だと思う
とにかく、宮島さんからフキが届いた

伽羅蕗にしてしまおうと思っていたのだけれど
あんまり綺麗なのと、丁度白だしを頂いていたこともあり
茹でて皮を剥いて水にさらしてアク抜きしてから
白だし煮にしてみた

綺麗な翡翠色だ
色と味に齟齬がない
とても美しい味わい


               *


葉をつけたまま送っていただいたので
刻んで湯がいて一晩アク抜きして
鷹の爪の辛味を効かせた佃煮にする

仕上げには胡麻油
香ばしさと、蕗の薹のような苦味がよく合う
これはご飯にも合うだろうけれど
ちびちび摘みながら日本酒を飲みたいところ


               *


サンドイッチを作ってもらった

茹鶏、トマト、レタス、イタリアンパセリ
やっぱり美味しい
とても勝てる気がしない
まあ、勝てなくても全然構わないんだけど


               *


WANというサイトで、エッセイを一本書きました
食いしん坊としての我が半生と日々の台所ライフ(?)を綴ってます

   『男子厨房に入りっぱなし』         

お暇なときにでも、どうぞ

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Apr 29, 2012

アンダーグラウンド、和定食、散歩

楽しみにしていたDVDが届いた

長い間ずっと絶版状態だったクストリッツァの『アンダーグラウンド』
先日のデジタルリマスター再上映に行くことが出来なかったので
本当に楽しみにしていたのだ
嬉しいなあ


               *


例によってGWにはまったく縁のない勤務体制なのだけれど
頭の一日だけは休みが取れた

昼食を作るのが面倒になったから
とりあえず散歩がてら外に出て
何か外食しようということになった

河原でパン食べるのも良いねえとか言っていたのだけれど
行ったことのない和定食の店があったことを思い出した

よこわのお造り定食
もんのすごい量、味も全然悪くない

ぶりアラの煮付けも強烈な量
意地で食べきったけど、お腹はち切れそう

香の物とちりめん山椒、煮物、それにはまぐりのお吸い物
これで二人で二千円は、かなりのお値打ちだと思う


               *


腹ごなしに近所を散歩
すっかり初夏の光と陽気

良い所に住んでるなあと思います、本当に

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