Jul 10, 2009

bad days are over

湿気で疲れが溜まっているのか
夕食を食べてしばらくすると猛烈な眠気に襲われ
気がつけば一家全員
人間は座椅子で、犬はソファーで
それぞれ見事撃沈していることが多い

一端目を覚ましてから
梵を散歩させシャワーを浴び
その後目が冴えて眠れず、ということもなく
ベッドに横になればコトリと眠りに落ちる

部屋干しのTシャツを捲って曇天を恨めしく見上げる
自転車にも乗れないし
この時期が一番体に応える気がするなあ


               *


「我に返るってのは、結局〈余剰〉なんだよ」

夢の中でそう囁かれて
朦朧と頷く

「無駄のないシンプルな制御機構からすれば
 自意識ってのは余分な突起なんだ
 邪魔な棘だといっても良い」

「何の話?」

「認識マシンの話さ」

「マシンが言葉を使って認識するの?」

「逆だよ、言葉に制御されたマシンの
 その余剰が自己認識なんだ」

「マシンは主じゃないの? 自律じゃないの?」

「主は言葉だ マシンは他律だよ」

目を覚まし
余剰がマシンを制動しているという刷り込みに気づき、無限後退

「この目は覚めているの?」
「その目は覚めていない」


               *


出勤途中、急に脳天気なメロディーとフレーズが浮かんだ
何かと何かが繋ぎ合わさってるんだろうけど、思い出せない

I am sure now you're in the right direction
Bad days are over
I know you completed the secret missinon
Bad days are over

少しVic Goddardっぽくて
脳天気だけどスレスレ切ない感じの掛け合い

適当にフンフン鼻歌でメロディーをふくらませながら
湿気を切るようにして、歩く

Bad days are over

最悪の淵に沈んでいた頃を思い出しながら
そんなフレーズを、口ずさむ
蒸れた木々の中で
蝉が騒々しく鳴いている


               *


12インチのタムを改造した小さなフロアータムがあるのだけれど
それを更に改造して詰め物して
カクテルドラムに使うようなペダルを作ってくっつけて
小さくて向きのおかしなバスドラを作ろうかなんてことを
ぼんやり考えているのだけれど
はて、何時になる事やら

なんでだか分からないのだけれど
コンパクトなドラムへの憧憬が非常に強い
誰が使ってて格好良かったっていうのでも無くて
何処で見たのが良かったってのも無くて
ただ、シンプルでコンパクトなキットに憧れている

枯山水みたいな風情のドラムを叩いてみたい
いつかは

| | Comments (1) | TrackBack (0)

Jul 06, 2009

鰯と油

一週間に渡り
食卓と弁当を彩った鰺の南蛮漬けにサヨウナラ

そして新たな一週間の為
激安で買ったカタクチイワシと(真鰯の方が美味しいらしいけど)
以前賞味期限ギリギリの叩き売りを「3リットル買い」したオリーブオイルで
オイル・サーディンを仕込む

濃い塩水に漬けて下ごしらえした鰯を重ならないよう鍋に並べて
ローリエと粒胡椒と種出しした鷹の爪と叩きつぶしたニンニクをのせて
ひたひたにオリーブオイルを流し込む

初めての料理ってのは緊張と期待でワクワクするもんですが
こういう綺麗な眺めを見ていると
本当に心が安らぐのですよ

細かな気泡が出るぐらいの、ごくごく弱火で
1時間、ゆっくり「油煮」にしていく
ようするにこれ、コンフィなんだな

冷ましてから
殺菌した広口の瓶に入れて冷蔵庫へ

一週間、がんばりますかね

| | Comments (3) | TrackBack (0)

Jul 05, 2009

near + far

もうそんなに経ったのか、と思う
3年以上前に、こんなことを書いた


  記憶の個別性と分有の可能性
  忘却の暴力について書かれた本を手渡されて
  電車の中で読んでいた

  現代アラビア文学とジェンダー論を主なフィールドにしている著者の
  思考のステップの踏み方とリズムの取り方は
  なるほど、俺によく似ていて、親しい
  そうして、引き裂かれるように、寂しい


よくもまあ
たいそう偉そうに、と、恥ずかしくなるが
昨日の報告と対論で彼女の音声が描いた
緊張した思考の糸の双曲線も、また
モフセン・マフマルバフが恥辱の仏陀を語ったときのかたちと似て
親しく、寂しく、身を切るように切実なものだった


               *


研究フィールドから何から全く別物の相方が
彼女と親しく、お世話になっているというのは
とても不思議な話なのだけれど
走って数十秒の距離に住んでいることを知ったときには
あまりの偶然具合に笑ってしまった

『ガザ通信』(青土社)という本にサインをしていただく
右から左へと文字が綴られるのを見たのは
砲丸投げ選手だった屈強なエジプト人青年のそれ以来
実に十数年ぶりのこと、だった


               *


61年という歳月のことを考える
もちろん
それが俺の想像の範囲をまるきり超えたものであることは
十分に承知している

それでも考える

昨日、大型スクリーンに何度も繰り返し映し出されていた
ガザの瓦礫と怪我人と
幼い子供の無表情を
何度も反芻しながら

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jul 04, 2009

島の光、犬の鼻息

日ごと暑さが厳しくなります
こまめな除湿が功を奏しているようで
去年より幾分蒸れがマシです

とはいえ、こんな状態だととても暑いです
鼻息で股も蒸れます
いびきかいてやがるのです


               *


ところで
島の光の箱は大変格好良いのです

どうです?
圧倒的な存在感でしょ?

釘を抜いて箱を開けても渋いです
これ食べ始めると
もう普通の素麺には戻れません
二年ものじゃなくても十分すぎる美味しさです

| | Comments (5) | TrackBack (0)

Jul 03, 2009

once i've got a gun to shoot myself, and destroyed em

こんな蒸し暑い時期にバタバタバタバタ死なれると
悲しい事を沢山思い出して、どうにもいけない
そろそろ墓参りにでも行こうと思いながら
忙しさに負けて、床に寝転がる

おーい
死者たちやい
俺はこうやって不義理だけど
あんたがたから受けたご恩は忘れちゃいないよ


               *


顔を真っ赤にして頑固に死後を「無」だと仰りながらさ
あちらの世界や霊だなんてのを吹聴するような輩を捕まえてさ
口から泡とばしてやいのやいの言う御仁もあらあね

どっちもどっちさ
不可知をさも知ったことのように語るって意味じゃ
いずれの御仁体も同じ事さね

「死者」の意も心得ず
幼稚な理を振り回しては理に足を掬われ
スラップスティック、バナナの皮、すってんころり


               *


ボルヘスの短編だったと思う
正確な地図を描こうとする男の話だった

厳密緻密正確な地図を製作しようとして
その厳密緻密正確さを推し進めようとするあまり
地図の大きさが実際の土地の大きさを凌駕してしまう
そんな話があったように記憶している

些末な議論に終始するネット上の論争もどきや
所謂「アカデミックな現場」での不毛なやり取りを眺めていると
この地図の話を思い出す

地図が必要だったんじゃないの
そもそも


               *


かつては
手に入れた銃があった
弾倉には卑劣が込められていた

こめかみに当てて引き金を引けば
フルオートで撃ち尽くされる算段だった

一人逝く度
一発ずつ
弾倉から卑劣を抜き取った

それが恩さ
到底返せやしないがね

銃は一つずつ部品に解体してから
高炉に投げ込んだ

この俺の銃の話と死者たちは
どうやったって切り離せやしないのさ

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jul 02, 2009

土砂降りのミートソース

いつものスーパー内の肉屋で、合い挽きがグラム148円(広告品)だった
モモの固まりをフープロで挽こうかと思っていたのだけれど
この値段だし、この肉屋だし

「500グラムちょうだい」
「はいはい、おおきに」

セロリを買い物かごに放り込んでからレジを通り外に出ると
天空の池が破裂したような大雨になっていた
買い物袋をリュックに放り込んで
ビニール傘が役に立たない豪雨にビショ濡れになって、帰る

作り置きの鰺の南蛮漬け
同じく作り置きの茄子と蒟蒻と新生姜の煮物
堅い木綿豆腐の冷や奴に、傷みかけてた青梗菜のとろとろ卵とじ
さっと用意して食べられるメニューで、発泡酒を一缶
一番ほっとする時間

食べ終わって簡単に用事を済ませたら
宿題のミートソースに取りかかる

相方も俺も忙しくする日々が続くから
調理の時間と手間を少しでも短縮するため
最近は多めの調理と作り置きを心掛けている
そんなこんなの日々
ミートソースのグラタンとか食べたいね、という話になり
めちゃくちゃ久しぶり(何年ぶりだろう?)に仕込むことになったのだ

ミートソースは多めに作らないと美味しくない
かなり応用が利くし冷凍保存も出来るから多く作って不便は無い
合い挽きを買うときに「1キロ」という数字も頭をよぎったのだが
冷凍庫、冷蔵庫の現状を考慮して半量にとどめた

人参2/3本、玉葱1.5個、セロリ2/3本、ニンニク一かけをざっくり切ってから
フープロでみじん切りにして、たっぷりのオリーブオイルでのんびり炒める

挽肉は焦がさないように中火のフライパンで炒め(グレープシードオイル使用)
みじん切りの野菜と一緒に大鍋に移し
フライパンに赤ワインを煮立たせて旨味を刮げ取り、鍋に移す
トマトの水煮缶1.5と水200cc、塩、胡椒、オレガノ(ローリエの間違えでした)、適量の赤ワインを加え
弱火でコトコト1時間程度煮込み、塩気を調節しながら最後に火力を少し上げ
焦げないようにかき混ぜながらとろみの出る状態まで煮上げる

隠し味はウスターソース
本格的なボローニャ風を気取るつもりもないから
親しみやすくてミドルレンジの収まりが良い味にしようと思ったら
こういう隠し味が「ショート・カット」になるのだ

画像は一晩置いた翌朝
作って直ぐよりも時間を置いた方が味が馴染んで美味しい
そういうわけで朝食はミートソースを使ったトースト

ズッキーニの薄切りとチーズを乗せて
文句なしの美味さです

あまり甘くなくて食べにくかったイチゴを凍らせていたものと
切ってレモンを搾ってから凍らせたバナナを
牛乳と一緒にミキサーにかけたもの
もうね、本当に、最高に美味しいです

俺が梵を散歩に連れて行く間
平日の朝ご飯を用意するのは大抵相方
二人とも料理が好きで良かったなあ、と
こういう朝には、しみじみそう思うのです


               *


4000人規模の海兵隊がアフガンに展開している

誰の視線を何処から逸らそうとしているのか?

誰のために誰が殺されているのか?

誰が誰を殺しているのか?

どうでもよくはないがどうでもいいから
殺すな


               *


雨の電車の中で
Nina Nastasiaばかり聴いている

7月の最終週に
シカゴで二日間に渡るライヴ・レコーディングを行うらしい
映像の記録も残るとのこと

彼女のリリースしたアルバムで唯一購入していなかった
Jim Whiteとの共作"You Follow Me"を発注した

湿気と憂鬱の中で
フォークナーの文章を思い浮かべながら
また、幻のようなアメリカを想っている

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jun 29, 2009

sting or thorn

『スローターハウス5』を観た後
どうしても『スティング』を観たくなった
幼い頃から、繰り返し何度もテレビで観た映画だ

豪華な特典映像と併せ、改めて観て
以降、一つのジャンルを成立させることになるような
比類無き傑作だったのだなと、そう思った

現代の映画に比べれば
展開は直線的で、演出のテンポもゆったりしているが
見事に伏線が回収されて最終的に「どんでん返し」に至る流れには
まったく淀みというものが無い

逆の見方をすれば、現代の多くの娯楽映画は
性急なテンポと複雑な構成で、この「淀み」を誤魔化している

関係者へのインタビューから浮かび上がるのは
時間をかけて練り上げられた綿密な脚本構成と
緻密な演出の積み重ねによって作り上げられた
全て計算済みの作品であったという事実

その後のハリウッドが失っていくものと
監督への哀悼の言葉が、出演者たちの口からほぼ同時に語り出される
『スローターハウス5』で俺が感じていたことも
あながち間違っていなかったのかなあと、思う

二十数年ぶりにじっくり観られて、本当に良かった


               *


イレギュラーな時間帯の留守番で不安を感じたのか
本当に久しぶりに、梵が玄関の一部分を囓ってしまった

囓られた部分は修理するにしても
大人しく利口にしていた梵が
突然そんなことをしたのがショックで
思いの外、辛くあたり、叱り飛ばしてしまった

殆ど無視をするような状態で翌朝を迎え
仕事に出かける前も、また少々辛くあたってしまう

仕事をしている間
行き過ぎだったことをしきりに反省する

帰宅して
真っ直ぐな信頼を向けてくる梵を撫でていると
自然と涙が出そうになった

真っ直ぐなものを受け止めることで
己の歪みの位置が、透けて見える
犬と暮らすというのは
そういうことなのかと


               *


アフィリエイトを貼り付けようと思ったら
Amazon在庫切れしてますやん……

そろそろ店舗に並んでいたり
他のネット・サービスでの取り扱いもあるようです

宜しくお願いいたします


               *


児童ポルノの規制に関する衆議院法務委員会の模様
幾つかのまとめや永山薫の傍聴記録を読んだ

別段驚くべきでもない
何時の時代の話かと嘆く必要もない
ある一定数の人間の思考形式は
どんな時代でもどんな場所でもこんなもんだ

「正義である我々」から切り離され分離された「悪」は
「正義である我々」のオルガンから完全に無関係な場所にあり
「正義である我々」の信奉する正義の論理を敷衍すれば
「正義である我々」とは元々無縁であった「悪」は完全排除される

何を言っても聞かないし
自分の持つロジック以外に回路があることも理解できない
そんなもんだ

反吐が出るよ、アグネス
縄師に調教されるが良い


               *


どういうわけか
先週からずっとオニオン・リングが食べたかった
カリっとした衣の、山盛りのオニオン・リングだ

昨夜、念願かなって新玉葱のオニオン・リングを山ほど揚げた
ベーキングパウダーとビールの入ったサクサクの衣
とにかくオニオン・リングは皿に山盛りでなければならない

仕事で行ったカナダ
疲れ果ててたどり着いたバンクーバーのレストランで
ヤケクソな気分で食べ初め、ビールを流し込み
やがて神経がほぐれ始めたことを思い出す

山盛りのオニオン・リングの見た目と味には
そういう効果がある

梵よ
おまえずっと睨んでるけど
犬は玉葱絶対にアウトだからね

たくさん作って余ったから
今晩はトースターで温め直してからサラダに乗せよう

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jun 23, 2009

the codes of desires

安い工具は安いなりの精度、という話はよく聞くし
実際、こないだプロ(ナンブ)からもそういう話を聞いたのだけれど
HOZANやPARK TOOLを買い揃えるほどの財力は無いし
そこまで徹底して自転車をイジるかどうかも分からない

PARK TOOLほど精度や剛性が高くないけど、ほぼ完璧なそのコピー品(笑)で
LIFU程酷くないから案外使えると評判の、LIFE LINE自転車工具セットを購入
これで、ヘッドパーツ以外は殆どバラすことが出来るようになった

早速、スポルティーフの後輪から、スプロケットを外してみる
油のない状態で長期間置かれていた為か、若干苦労はしたものの
無事に外れたスプロケットをパーツ・クリーナーで洗浄し(物凄い汚れだった)
薄くルブを伸ばしてから組み付け直す

なるほどなあ
こうやって深みに嵌っていくのだなあ


               *


相方の本の現物があがってきた

『欲望のコード ―マンガにみるセクシュアリティの男女差』 臨川書店

修士論文に加筆修正を加えたものなのだけれど
俺自身、論文の構想の段階からずっと付き合ってきたので
非常に感慨深い

詳しいレビュー(書くのか?)は別の機会にする(書くのか?)が
身内贔屓を差し引いても、まっとうな良い論考だと思う

持論に都合の良い材料を採集して並べてるような社会科学系の論文を読むと
頭痛や吐き気がしてくるものなのだけれど
相方の論文にはそういった要素は無いし
主語と述語が百万光年の彼方にあるようなポエムすれすれの難解さだとか
論理構造が破綻しているようなこともなく
短いセンテンスとパラグラフの組み立ててで
論理の道筋はきわめて明瞭になっている

フェミニズム、ジェンダー、ポルノといった問題群
あるいはBL、ヤオイ、TLといった文化、社会現象に関心や興味がある方には
かなり面白い論争空間を提供することが出来る本だと思う

後日、当ブログ初のアフィリを貼り付ける予定にしておりますので
是非ともお買い求め下さい

*先日のステーキはこのお祝いだったのでした


               *


『電信柱エレミの恋』
京都での一般公開のチケット予約が始まっています

SOVAT THEATER

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009での上映も決まったようです

技術的な面の圧倒的な素晴らしさもさることながら
なにより暖かくて奥深く、心底良い作品ですので
皆様、是非ともご覧下さい

| | Comments (2) | TrackBack (0)

Jun 21, 2009

7.2/7

一週間お付き合い頂きました我が家の食卓中継
本日最終日、最後の最後
気負わず短時間調理で〆させて頂きます

ズッキーニと茄子とシメジのチーズ焼き
ごくごくシンプルな塩胡椒の味付けのみ
なんでこんなシンプルなものがこんなに美味しいんだろう?

安かった真ソイのアクァパッツァ
たっぷりのアサリが凝縮された旨味を作り出します
これもまた、なぜこんなシンプルなものがこんなに美味しいのだろうか?
フランスパンをヒタヒタに浸しながら、そんな風に低く唸るのでありました


               *


とまあ、だいたいこんな食生活です
一週間まとめると結構なボリュームだねえ

| | Comments (2) | TrackBack (0)

7.1/7

地味にラストスパート
冷蔵庫整理も兼ねた朝食

最後の鰯(しかしニュー鰯仕入れ済み、鰯なんかなんぼでも食べられる)
鶏の肝煮、納豆(全卵、刻み葱)

茄子の味噌汁でにゅうめん、七味が良く合います

以上、最終日は絵柄も地味
田舎のばあちゃん家の朝食みたいです

| | Comments (0) | TrackBack (0)

«6.2/7